本日も、一般社団法人全国信用金庫協会のホームページから見つけてきた情報からです。
信用金庫は、私たちの身近にある金融機関の一つです。普通の銀行とは少し違う特徴を持っています。
信用金庫は「協同組織の地域金融機関」です。これは、地域の人たちや中小企業が力を合わせて、お互いに助け合い、地域全体を豊かにしていくことを目的とした組織だということです。
一般的な銀行は「株式会社」という形態をとっていて、株主(お金を出資した人)の利益を最も重視します。でも信用金庫は違います。信用金庫は「会員」と呼ばれる地域の人々や企業のために存在し、地域社会全体の発展を第一に考えています。
信用金庫は次の3つのビジョンを掲げています:
信用金庫では普通の銀行と同じように、こんなことができます:
さらに最近では、投資信託や保険の販売、インターネットバンキング、モバイルバンキングなどのサービスも提供しています。ただし、すべての信用金庫で同じサービスが受けられるわけではないので、利用する前に確認が必要です。
信用金庫のルーツは明治時代にさかのぼります。もともとは経済的に弱い立場の人たちを助けるための「信用組合」として始まりました。1951年に「信用金庫法」という法律ができ、現在の「信用金庫」が誕生しました。
「信用金庫」という名前は、「信用」(信頼関係)を大切にして「金庫」(お金を安全に保管する場所)のように地域のお金を守る機関という意味が込められています。
信用金庫は公共性の高い金融機関として、社会的な使命と責任を持っています。お客さまのニーズに応えることはもちろん、地域経済の発展に貢献することを重視しています。
また、法律やルールをしっかり守り、地域社会とのコミュニケーションを大切にして、社会からの信頼を得ることを使命としています。
このように信用金庫は「地域のために、地域と共に」という考え方で運営されている金融機関なのです。
出所:https://www.shinkin.org/shinkin/index.html
本日は、一般社団法人全国信用金庫協会のホームページから見つけてきた情報です。
今回は「信用金庫」「銀行」「信用組合」という3つの金融機関の違いについて説明します。これらは全てお金に関するサービスを提供していますが、それぞれに独自の特徴があります。
設立目的のちがい
信用金庫
・地域社会の発展と人々の暮らしをサポートするために作られました
・利益よりも、会員や地域の人たちへの貢献を優先しています
・「地域のために」という考え方が基本です
銀行
・株式会社として、株主への利益還元を重視しています
・経済全体の発展に貢献することを目的としています
・「株主のために」という考え方が基本です
信用組合
- 組合員同士の相互扶助(助け合い)を目的としています
- 組合に加入している人たちの経済的な地位向上を目指しています
- 「仲間のために」という考え方が基本です
会員資格のちがい
信用金庫
・営業地域内に住んでいる人、働いている人、事業を営んでいる人が会員になれます
・中小企業(従業員300人以下または資本金9億円以下)までが対象です
・つまり、一定の地域の人々や中小企業が対象です
銀行
・会員資格の制限はなく、誰でも利用できます
・大企業も中小企業も、個人も法人も全国どこからでも取引できます
信用組合
・信用金庫よりも範囲が狭く、地区内に住んでいる人や小規模事業者に限られます
・信用金庫よりも厳しい条件があり、より小規模な事業者が中心です
サービス範囲のちがい
信用金庫
・お金を預けること(預金)は誰でもできます
・お金を借りること(融資)は主に会員向けですが、少額なら会員以外も可能です
銀行
・預金も融資も誰でも制限なく利用できます
・全国、時には世界中で幅広いサービスを提供しています
信用組合
・預金は基本的に組合員のみ(総預金額の20%までは組合員以外も可能)
・融資も基本的に組合員向けで、より限定的です
まとめ
信用金庫は「地域密着型の金融機関」として、その地域の人々や中小企業のためにサービスを提供しています。銀行は「誰でも利用できる総合金融機関」として幅広いサービスを展開し、信用組合は「特定の仲間のための相互扶助的な金融機関」として、より限られた範囲での活動を行っています。
このように、同じ金融機関でも、誰のために、どのような目的で、どんなサービスを提供するかによって、それぞれの特徴や役割が異なっているのです。
出所:https://www.shinkin.org/shinkin/index.html
本日は、一般社団法人全国銀行協会からネットバンキング犯罪に関する情報提供をご案内します。
ネットバンキング犯罪の最新動向と対策
近年、ネットバンキング犯罪は手口が多様化・高度化し、被害金額も増加傾向にあります。2023年には被害額が大幅に増加しており、その対策は喫緊の課題となっています。主要な犯罪手口と有効な対策について概説します。
主要な犯罪手口
ウイルス感染による認証情報の不正取得は最も一般的な手口です。改ざんされたウェブサイトや不審メールからウイルスに感染すると、銀行の偽画面が表示され、認証情報が盗取されます。特に巧妙な手口では、ワンタイムパスワードの入力を促す偽画面表示や、メールの盗み見によるパスワード窃取も確認されています。法人向けには電子証明書の不正取得も報告されています。
フィッシング詐欺では、銀行を装った偽メールから精巧に模倣されたログイン画面へ誘導し、認証情報を窃取します。また、不正申込では公的機関や銀行職員を装って電話し、還付金手続きなどを口実に個人情報を聞き出し、ネットバンキングを不正に申し込む手口も増加しています。
さらにサポート詐欺では、偽の警告画面から偽サポート窓口への連絡を促し、遠隔操作ソフトを導入させた上で、修理代金名目で不正送金を行わせています。
効果的な対策
被害防止には以下の対策が有効です:
・ウイルス対策ソフトを常に最新状態に保つ
・不審なサイト・メールを避ける
・正当な取引以外でのパスワード入力を控える
・銀行推奨のセキュリティ対策を実施する
・ID・パスワードは他サービスと異なるものを設定し、厳重に管理する
銀行がメールや電話で認証情報の入力を求めることはありません。不審点や被害があれば、全国銀行協会相談室、銀行とりひき相談所、警察、消費生活相談窓口へ早急に連絡することが重要です。
本日は、最近ずっと話題になっている年収の壁についてふれたいと思います。
「年収の壁」とは、給与所得者の税金や社会保険料の負担が増える年収のラインを意味します。 ざっくり言うと、「この額を超えると、税金や社会保険料で手取りが減る」年収の額のことです。近年では、主に主婦や学生などの働き控えにつながるため、社会的に問題視されています.
「年収の壁」には、税金に関わるもの、社会保険に関わるもの、企業の家族手当に関わるものなど、いくつかの種類があります.
税金に関わる「壁」の例:
・100万円の壁:
年収が100万円を超えると、住民税が課されるようになります。住民税は均等割と所得割の2種類があり、100万円を超えた部分に対して課税されます。わずかに超えただけでも、手取りが減少することがあります。また、住民税が課税されると、住民税非課税世帯を対象とする給付金等が受給できなくなる場合がある点にも注意が必要です。なお、自治体によっては、このボーダーラインが100万円でない場合や、税率が通常よりも高くなっている場合があります。
・103万円の壁:
年収が103万円を超えると、所得税が課税されるようになり、配偶者控除が受けられなくなる場合があります。所得税額は、年収から基礎控除と給与所得控除の合計額(通常103万円)が差し引かれた課税所得に対して課税されます。2025年からは、基礎控除額と給与所得控除額が引き上げられ、この壁は123万円になる予定です。
・150万円の壁:
年収が150万円を超えると、所得税の配偶者特別控除の控除額が段階的に減っていきます。
社会保険に関わる「壁」の例:
・106万円の壁:
従業員数101人以上(2024年10月からは51人以上)の企業で、週の勤務時間が20時間以上、給与が月額8万8000円以上などの要件を満たす場合、社会保険(厚生年金保険・健康保険)への加入義務が発生します。これにより、自身で社会保険料を納める必要が生じ、手取りが大幅に減ることがあります。
・130万円の壁:
社会保険の適用事業所に勤務しているか否かに関わらず、年収が130万円以上になると、配偶者や親などの扶養から外れ、国民年金や国民健康保険などに自ら加入する義務が生じます。これも手取りが大きく減少する要因となります。一時的に収入が上がった場合でも、事業主が証明することで扶養に入り続けられる措置があります。
企業ごとの「壁」の例:
・企業によっては、「配偶者手当」「家族手当」「扶養手当」などを支給している場合があり、これらの手当には「103万円」や「130万円」などの所得制限が設けられていることがあります。扶養されている家族の年収がこれらの水準を超えると、手当を受けられなくなるため注意が必要です.
政府は、「年収の壁」による働き控えの問題に対処するため、「年収の壁・支援強化パッケージ」を設けて対策を行っています。また、2025年以降、「103万円の壁」の引き上げなどが議論され、実際に2025年からは123万円に引き上げられる予定です.
企業側も、「年収の壁」の撤廃に向けて、キャリアアップ助成金などを活用した対応が求められています.
本日も、国税庁の「リファンド方式に変更後の輸出物品販売場制度に関するQ&A」からです。
参照とする問は、「リファンド方式に変更後の輸出物品販売場制度に関するQ&A」の問番号となっています。
リファンド方式における免税販売手続の方法等の詳細は以下の通りです。この手続きは、一般型輸出物品販売場における免税購入対象者に対するものであり、免税販売手続を承認免税手続事業者に委託する場合は別の手続きとなります(問24参照)。
外国人旅行者等と輸出物品販売場のそれぞれが行う手続き:
外国人旅行者等
1.旅券等の提示・情報提供: 免税購入対象者は、旅券等の提示を行い、それに記載された情報を提供します。
・外国籍の方: 原則として旅券(上陸許可の証印を受けたもの)を提示します。Visit Japan Webの二次元コードによる提示も含まれます。
・各種上陸許可(船舶観光上陸許可、乗員上陸許可、緊急上陸許可又は遭難による上陸許可)を受けて在留する外国籍の方: 各種上陸許可書及び旅券を提示します。船舶観光上陸許可の場合は旅券の写しも含まれます。
・日本国籍を有する方: 旅券に加え、「在留証明」、「戸籍の附票の写し」又は「個人番号カード(マイナンバーカード)」のいずれかの証明書類を提示します。
・これらの旅券等の提示がない場合、免税販売手続きは行えません。
2.出国時の税関確認: 購入日から90日以内に出国する際、旅券等を提示し、税関の確認を受けます。税関の求めに応じて免税対象物品を提示できるようにする必要があります。税関の確認は空港等で手荷物を預ける前に行う必要があります。
輸出物品販売場
1.免税購入対象者であることの確認: 提示された旅券等により、購入者が免税購入対象者であることを確認します(問3参照)。
2.必要事項の説明: 免税購入対象者に対し、以下の事項を説明する必要があります:
・税関の確認は購入日から90日以内の出国時に旅券を提示等し、かつ、免税購入対象者は税関の求めに応じて免税対象物品を提示しなければならないこと。
・税関の確認を受けた免税対象物品を遅滞なく輸出しなければならず、それを輸出しなかった場合には、免除された消費税額に相当する消費税を徴収され、かつ、罰則の適用対象となること。
・税関の確認は、空港等で手荷物の機内預けをした後に受けることはできないため、手荷物の機内預けをする前に税関の確認を受ける必要があること。
3.免税対象物品の引渡し(課税販売): 免税対象物品を免税購入対象者本人に**税込価格(課税)**で引き渡します。一般物品と消耗品の区分は廃止され、消耗品の購入上限額及び特殊包装要件も廃止されます。購入下限額(5千円)の判定は、区分をせず税抜価格で行います。購入記録情報も引き続き「税抜価額」で提供します。
4.購入記録情報の提供: 免税販売手続きの際、遅滞なく国税庁(免税販売管理システム)に購入記録情報を提供しなければなりません。
・旅券等の番号は旅券番号に統一されます。
・日本国籍を有する免税購入対象者に係る「証明書類」の内容は、「証明書類の種類」と「国外転出日又は国外定住日」に緩和され、証明書類の写し等の保存要件は廃止されます。
・単価100万円(税抜価額)以上の商品を販売した場合、「商品情報詳細」(シリアル番号等)を設定する必要があります(問13、14参照)。
・購入記録情報に設定できる任意項目として、「商品分類」(問12参照)や「販売場名称(英語表記)」が追加されます。
・購入記録情報は誤りのないように正しく設定し、国税庁に提供する必要があります。誤りがあると税関の確認が行えず、免税の適用を受けられない可能性があります。
5.税関確認情報の取得: 免税購入対象者が免税対象物品を持ち出すことにつき、購入日から90日以内の出国時に税関の確認を受けた旨の情報(税関確認情報)を、国税庁(免税販売管理システム)から取得します(問33~37参照)。
6.購入記録情報及び税関確認情報の保存: 提供した購入記録情報と取得した税関確認情報を整理して、免税対象物品の譲渡を行った日の属する課税期間の末日の翌日から7年間、納税地又はその取引に係る事務所等に保存しなければなりません(問17参照)。これらの情報がない場合、原則として免税の適用は受けられません。
7・免税の成立と返金: 取得した税関確認情報等に基づき、免税対象物品に係る消費税相当額を免税購入対象者に返金します。具体的な返金手続きは消費税法令で定められていません(問29参照)。返金方法としては、銀行振込、クレジットカード送金、アプリ送金、出国港内での現金による返金などが考えられます。
リファンド方式のイメージ:
1.出国時に外国人旅行者等が旅券等を提示。
2.免税店で税込価格(課税)で販売。
3.免税販売管理システム(国税庁)へ購入記録情報を提供。
4.外国人旅行者等は購入日から90日以内に出国。出国時に旅券等を提示し税関で確認・検査を受ける。
5.税関は確認・検査の結果を免税販売管理システムに登録。
6.免税が成立し、免税店は免税購入対象者へ消費税相当額を返金。免税店は税関確認情報を取得・保存する。
リファンド方式は令和8年11月1日から開始されます。現行制度とリファンド方式を併用する移行期間はありません。
国税庁から、リファンド方式に変更後の輸出物品販売場制度に関するQ&Aが出ていましたのでご案内します。
こちらのリンクからご確認できます。
輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式・概要編)(令和7年4月)
リファンド方式についての詳細な情報が記載されています。
出所:国税庁
このQ&Aを踏まえて、リファンド方式による免税販売制度の変更点を再確認したいと思います。
リファンド方式による免税販売制度の変更点
令和8年11月1日から導入されるリファンド方式は、現行の輸出物品販売場制度から大きく以下の点が変更されます。
免税販売の仕組み:
現行制度では、免税店は外国人旅行者等に対して原則として免税価格(税抜価格)で免税対象物品を販売していましたが、リファンド方式では、免税店は外国人旅行者等に対して税込価格(課税)で免税対象物品を販売することになります。その後、免税購入対象者は、購入した免税対象物品を国外に持ち出すことについて、購入日から90日以内の出国時に税関の確認を受け、免税店を経営する事業者は、この税関の確認後に免税購入対象者へ消費税相当額を返金(リファンド)することとなります。
税関の役割の強化:
リファンド方式では、免税購入対象者が免税対象物品を国外に持ち出す際に、税関による確認が必須となります。この税関の確認をもって免税販売が成立するため、免税店は税関が持ち出しを確認した旨の情報(税関確認情報)を保存する必要があります。
一般物品と消耗品の区分の廃止:
現行制度では、免税対象物品は一般物品と消耗品に区分され、それぞれ購入金額や包装方法に要件がありましたが、リファンド方式ではこの区分が廃止されます。これにより、消耗品に係る購入上限額(50万円)や特殊包装の要件もなくなります。
「通常生活の用に供する」要件の廃止:
現行制度では、免税対象となる物品は通常生活の用に供するものに限られていましたが、リファンド方式ではこの要件が廃止され、消費税に関する不正の目的で購入されるおそれが高い物品(金地金等)や消費税が非課税とされる物品を除き、用途を問わず免税対象となります。
免税店の区分の統合:
現行制度では、一般型免税店、手続委託型免税店、自動販売機型免税店がありましたが、リファンド方式では一般型免税店と手続委託型免税店の区分が統合され、一般型免税店と自動販売機型免税店の2区分となります。統合後の一般型免税店は、承認免税手続事業者に免税販売手続に係る事務を委託して行わせることができます。
購入記録情報の変更:
免税購入対象者の確認方法が見直され、購入記録情報に設定する項目も変更されます。例えば、船舶観光上陸許可等により在留する者の手続きが見直され、日本国籍を有する免税購入対象者については、国外居住期間の証明書類の内容が緩和されます。また、単価100万円(税抜価額)以上の商品を販売した場合、「商品情報詳細」として具体的な商品情報を記録することが必須となります。
別送の取扱いの原則廃止:
令和7年3月31日をもって、免税購入対象者が購入した免税対象物品を出国前に郵便物等として輸出する、いわゆる別送の取扱いは廃止されました。令和7年4月1日以降に購入した商品については、出国時に所持していない場合、原則として免税となりません。
直送制度の見直し:
免税購入対象者が免税店で運送契約を締結し、その場で免税対象物品を運送事業者に引き渡す直送制度は、リファンド方式移行後も継続されますが、消費税法第7条(輸出免税制度)に基づく免税として扱われるため、免税店における一連の免税販売手続や購入記録情報の提供は不要となります。
罰則規定の創設・見直し:
税関の確認を受けた免税対象物品を遅滞なく輸出しなかった場合の罰則規定が創設されます。また、免税店の許可取消要件に、購入記録情報に不備または不実の記録がある場合など、「税関長の確認に支障があると認められる場合」が追加されます。
申請届出手続の簡素化:
免税店の移転手続きが変更届出書の提出で可能になるなど、申請・届出手続きが簡素化されます。
免税販売管理システムの変更:
リファンド方式に対応するため、免税販売管理システムのAPI仕様が変更され、税関確認結果を照会するためのインターフェースが追加されます。
これらの変更により、免税販売の手続きや管理、免税対象となる物品の範囲などが大きく変わることになります。
本日も引き続き、リファンド方式についてです。
色々な切り口からの解説に挑戦しています。
本日は、外国人旅行者に事業者が商品を販売する場合には、どのような点に注意するのかという視点で見ていきたいと思います。
1. リファンド方式への移行:
令和8年11月1日より、輸出物品販売場制度はリファンド方式に移行します。これにより、免税店は外国人旅行者等(免税購入対象者)に対して、税込価格(課税)で免税対象物品を販売することになります。
2. 免税販売手続きと税関確認:
免税購入対象者は、購入した免税対象物品を購入日から90日以内に出国する際に税関の確認を受ける必要があります。購入日の翌日から計算して90日目が期限となる点に注意が必要です。
事業者は、購入記録情報と、税関が持ち出しを確認した旨の情報(税関確認情報)を保存することで、免税の適用を受けることになります。
税関の確認の際、同一の購入記録情報に含まれる免税対象物品のうち、一つでも所持していなかった場合、その購入記録情報に含まれる全ての免税対象物品について確認を受けることができません。
3. 消費税相当額の返金(リファンド):
税関による確認後、事業者は免税購入対象者に対して消費税相当額を返金(リファンド)する必要があります。具体的な返金手続きの方法は消費税法令で定められているわけではありませんが、銀行振込、クレジットカード送金、アプリ送金、出国港内での現金による返金などが考えられます。
4. 免税購入対象者の確認方法:
免税購入対象者の確認方法が一部変更されます。船舶観光上陸許可等により在留する外国人については、上陸許可書に加えて旅券の提示が求められます(旅券の写しの提示を含む場合があります)。現行制度の許可書番号に代えて旅券番号を入力します。日本国籍を有する非居住者(国外に2年以上居住する者)については、証明書類としてマイナンバーカードが追加されます。購入記録情報として設定する証明書類の内容は、証明書類の種類及び国外転出日(又は国外定住日)の2項目に緩和され、証明書類の写し等の保存は不要となります。証明書類には本籍の記載は不要であり、国外に転出した旨の記載があるものに限られます。
5. 免税対象物品の範囲:
一般物品と消耗品の区分や消耗品に係る購入上限額(50万円)、特殊包装の要件、通常生活の用に供するかどうかの要件などが廃止され、区別なく税抜価額5千円以上の物品が免税対象となります。ただし、免税購入対象者が出国時に免税対象物品を所持していない場合には、税関の確認を受けることができません。そのため、免税店で購入する免税対象物品は、出国時にその全てを自らが所持して持ち出す(輸出する)ことができる数量に限られます。
6. 単価100万円以上の商品の商品情報詳細:
単価100万円(税抜価額)以上の商品を販売した場合、商品の属性に応じて、具体的な名称、ブランド名、型番号、形状若しくは色彩等の特徴、鑑定書(鑑別書)若しくは保証書付きである旨、シリアル番号(付された腕時計のような商品の場合)などを組み合わせた**「商品情報詳細」**を購入記録情報として設定する必要があります(必須項目)。
7. 免税店の区分と許可要件:
一般型免税店と手続委託型免税店の区分が統合され、許可要件の一部が緩和される一方、「免税販売手続や購入記録情報の提供及び税関確認情報の受領を適正に実施するための必要な体制が整備されていること」が新たに追加されます。免税販売手続電子化未対応の免税店は、令和8年10月31日をもって免税店許可の効力を失うことになります。
8. 直送制度の見直し:
免税購入対象者が免税店で運送契約を締結し、その場で免税対象物品を運送事業者へ引き渡す免税販売方式(いわゆる直送制度)は、リファンド方式移行後は消費税法第7条(輸出免税制度)により免税の適用を受けることになります。そのため、リファンド方式移行後に直送制度を適用する場合、免税店における一連の免税販売手続や購入記録情報の提供は不要となります。ただし、運送契約書等の保存は必要です。
9. 別送の取扱いの廃止:
免税店で購入した免税対象物品の別送の取扱いは、リファンド方式への移行を待たず令和7年3月31日をもって廃止されました。令和7年4月1日以降に購入した商品について、出国時に所持していなかった場合、消費税が徴収されます。
10. 税関長の確認に支障がある場合:
免税店の許可取消要件に、購入記録情報に不備又は不実の記録があることなど「税関長の確認に支障があると認められる場合」が追加されます。また、税関の確認を受けた免税対象物品を遅滞なく輸出しなかった場合の罰則規定の創設や税関による即時徴収規定の整備も行われます。
11. 課税売上げから免税売上げへの振替処理:
商品販売時に課税売上げとした取引は、税関確認情報の保存により免税要件を満たすことになるため、その後に免税売上げに振り替える必要があります。この振替処理は、税関確認情報の取得の都度行う方法と、月次等の一定のタイミングで一括して行う方法があります。販売を行った課税期間と税関確認情報を保存した課税期間が異なる場合には、販売を行った期の申告を修正するのではなく税関確認情報を保存した期において調整する方法も認められます。
これらの変更点を踏まえ、事業者は令和8年11月1日のリファンド方式への移行に向けて準備を進める必要があります。特に、免税販売管理システムの対応や、従業員への新しい手続きの周知などが重要になります。
本日も引き続き、リファンド方式についてです。
色々な切り口からの解説に挑戦しています。
リファンド方式の手続きの流れ
1.購入時: 外国人旅行者等は免税店で税込価格で商品を購入します。購入時にはパスポートなどの提示が必要です。
2.出国時: 購入者は商品を購入日から90日以内に国外へ持ち出す必要があります。出国時に税関でパスポートを提示し、購入した商品の確認を受けます。
・90日の計算は購入日の翌日から開始します(例:11月1日購入の場合、翌年1月30日が期限)
・同じ購入記録の商品は全て所持していないと確認を受けられません
3.事業者側の手続き: 免税店は購入記録と税関確認情報を保存することで免税適用を受けます
4.返金: 税関確認後、免税店は購入者に消費税相当額を返金します
・返金方法には銀行振込、クレジットカード送金、アプリ送金、出国港での現金返金などがあります
現行制度からの主な変更点(令和8年11月1日から実施)
販売方法の変更
・現行: 非課税価格で販売
・新制度: 税込価格で販売し、後で返金
本人確認方法の変更
・クルーズ船観光客:上陸許可書に加えてパスポートの提示が必要に
・海外在住日本人:マイナンバーカードが証明書類として追加、手続きが簡素化
免税対象商品の扱い
・一般物品と消耗品の区分が廃止
・消耗品の購入上限額(50万円)や特殊包装の要件が撤廃
・購入下限額(5千円)は区分なしの税抜価格で判定
高額商品(単価100万円以上)の情報
・商品名、ブランド名、型番、特徴、シリアル番号などの詳細情報の提供が必須に
直送制度と別送の扱い
・直送は消費税法第7条(輸出免税制度)で対応
・別送は令和7年3月31日に既に廃止済み
免税店の区分と許可要件
・一般型と手続委託型の区分が統合
・電子化未対応の免税店は令和8年10月31日で許可失効
・店舗移転は変更届出書の提出で可能に
罰則と許可取消
・確認を受けた商品を輸出しなかった場合の罰則が新設
・購入記録情報に不備がある場合など、許可取消要件が追加
会計処理
・税関確認情報取得後、課税売上げから免税売上げへの振替処理が必要
・都度または月次などで一括処理が可能
この新制度は令和8年11月1日以降の販売から適用され、現行制度との併用期間はありません。
本日も引き続き、リファンド方式についてです。
2026年11月1日より、日本の免税購入制度が現行の「購入時免税方式」から「リファンド方式」へ完全移行します。この変更により、訪日外国人等は一旦消費税を支払って購入し、出国時に税関の確認を受けた後で消費税相当額の返金を受ける仕組みとなります。
免税購入対象者への変更点
購入時の変更
・現行:購入時に消費税なしの価格で購入
・新制度:税込価格で購入し、後で返金を受ける
出国時の手続き
・購入した商品を購入日から90日以内に持ち出す必要があります
・税関で旅券(パスポート)等を提示し確認を受けます
・購入記録に含まれる商品は全て所持している必要があります(一部欠けると全ての免税適用不可)
・確認を受けた商品は遅滞なく輸出しなければなりません(違反には罰則あり)
その他の制度変更
・一般物品と消耗品の区分が廃止されます
・購入下限額(税抜5千円)は統一されます
・消耗品の購入上限額(50万円)制限は廃止されます
・自分で持ち出せる数量に限定されます
免税店の変更点
販売時の手続き
・訪日外国人等に税込価格で販売します
・購入者の旅券確認と購入記録情報の提供が必要です
・100万円(税抜)以上の高額商品には詳細な商品情報の登録が必須となります
・直送制度を利用する場合は異なる免税手続きが適用されます
返金手続き
・税関確認情報を保存する必要があります
・確認後、消費税相当額を購入者に**返金(リファンド)**します
・返金方法は銀行振込、クレジットカード送金、アプリ送金、現金返金など複数の選択肢があります
・会計処理上、課税売上げから免税売上げへの振替処理が必要です
免税店の許可・制度変更
・一般型と手続委託型の区分が統合されます
・電子化未対応の免税店は2026年10月31日に許可が失効します
・適正な免税販売手続きの体制整備が新たな許可要件となります
・免税店の移転は変更届出書の提出のみで可能になります
税関の役割
・出国時に旅券等と免税対象物品の確認・検査を行います
・確認を受けた商品が遅滞なく輸出されない場合、罰則適用の可能性があります
・購入記録情報に不備がある場合、免税店の許可取消しにつながる可能性があります
この新制度は2026年11月1日から完全実施され、旧制度との併用期間はありません。免税購入を検討される方や免税店経営者の方は、新しい手続きに備えて準備をお願いします。
本日も引き続き、リファンド方式についてです。
リファンド方式への移行に伴い、免税制度において重要な変更が実施されます。
免税対象物品については、一般物品と消耗品の区分が廃止され、購入物品は一律で免税対象となります。これにより消耗品の購入上限額(50万円)や特殊包装義務も廃止されます。
また、「通常生活の用に供する」という要件も撤廃され、購入下限額(税抜5千円)の判定は物品区分なく実施されるようになります。
免税対象外となるのは金・白金の地金、金貨・白金貨、非課税物品のみです。ただし、免税購入者は出国時に自ら所持して持ち出せる数量のみ購入可能という条件が設けられています。
免税店関連では、一般型と手続委託型免税店が「一般型免税店」に統合され、免税販売手続や情報提供の体制整備が許可要件に追加されます。
免税手続カウンターの設置場所制限は緩和されますが、令和8年10月31日までに電子化に対応していない免税店は許可の効力を失います。
また、免税店移転は変更届出書の提出のみで可能になり、許可取消要件には「税関長の確認に支障がある場合」が追加されました。
これらの変更は令和8年11月1日以降の販売から適用され、現行制度との併用期間はありません。
要約すると
免税対象物品の変更
免税店関連の変更
これらの変更は令和8年11月1日以降の販売から適用され、移行期間はなし。
リファンド方式の導入は、免税事業者のシステム運用と税務処理に以下の影響を与えます。
システム運用への影響:
・免税販売管理システムの利用の必須化:
免税事業者は、外国人旅行者等(免税購入対象者)に対して免税販売を行うにあたり、免税販売管理システム(国税庁)を利用して購入記録情報を提供する必要があります。
・購入記録情報と税関確認情報の紐付け・保存:
免税店は、免税販売時に作成した購入記録情報と、免税購入対象者が出国時に税関の確認を受けたという税関確認情報を紐付けて保存することで、免税の適用を受けることになります。
・商品情報詳細の設定:
特に、単価100万円(税抜価額)以上の商品を販売した場合には、商品の属性に応じて、具体的な名称、ブランド名、型番号、形状・色彩等の特徴、鑑定書・保証書の有無、シリアルナンバーなどの「商品情報詳細」を提供することが必須となります。これにより、システムへの詳細な商品情報の登録が必要になります。
・免税販売手続の電子化への対応:
令和8年11月1日以降は、免税販売手続電子化未対応の免税店は許可の効力を失います。したがって、免税事業者は免税販売管理システムに対応したシステムを導入・運用する必要があります。既存の一般型免税店または手続委託型免税店は、電子化に対応していれば、新たな手続きなしに新制度の一般型免税店の許可を受けたとみなされます。
・免税店の区分統合と手続委託:
一般型免税店と手続委託型免税店の区分が統合され、一般型免税店を経営する事業者は、承認免税手続事業者に免税販売手続に係る事務を委託できるようになります。この場合、免税手続カウンターの設置場所は特定商業施設内である必要はなくなりますが、免税手続カウンターで行われる手続きは一般型免税店での販売と同日に行う必要があります。
・直送制度の変更:
リファンド方式移行後は、直送制度は消費税法第7条(輸出免税制度)に基づいた免税となり、免税店における一連の免税販売手続や購入記録情報の提供は不要となります。ただし、運送契約書等の保存が必要となります。
税務処理への影響:
・税込価格での販売と事後の返金処理:
これまでの制度とは異なり、免税店は免税購入対象者に対して税込価格(課税)で免税対象物品を販売し、免税購入対象者が出国時に税関の確認を受けた後、消費税相当額を返金(リファンド)する必要があります。このため、販売時点と返金時点での会計処理が発生します。
課税売上げから免税売上げへの振替処理:
商品販売時には課税売上げとして処理されますが、税関確認情報の保存により免税要件を満たすことになるため、その後、免税売上げに振り替える必要があります。この振替処理は、税関確認情報の取得の都度行う方法と、月次等の一定のタイミングで一括して行う方法があります。
・課税期間を跨ぐ場合の処理:
商品販売を行った課税期間と税関確認情報を保存した課税期間が異なる場合(例:販売がX1期、税関確認がX2期)、原則として販売を行った期(X1期)の申告を修正するのではなく、税関確認情報を保存した期(X2期)において調整する方法も認められます。ただし、この処理を継続して行う必要があります。
免税購入対象者への返金手続:
返金手続の方法は消費税法令で具体的なルールは定められていませんが、銀行振込、クレジットカード送金、アプリ送金、税関確認を受けた出国港内での現金による返金などが考えられます。免税事業者はこれらの返金方法に対応した体制を整備する必要があります。
・免税店の許可取消要件の追加:
免税店の許可取消要件に、購入記録情報に不備または不実の記録があることなど「税関長の確認に支障があると認められる場合」が追加されます。したがって、より正確な情報管理とシステム運用が求められます。
別送の取扱いの廃止:
令和7年4月1日以降に購入した商品については、免税店で購入した免税対象物品を後日別送する取扱いは廃止されました。出国時に購入品を所持していない場合、消費税が徴収されます。これは、免税事業者が別送に関する手続きを行う必要がなくなる一方で、購入者への事前説明の重要性が増すことを意味します。
これらの変更点を踏まえ、免税事業者はシステム改修や新たな業務フローの構築、従業員への研修などを行う必要が生じます。
今回のリファンド方式への移行に伴い、免税対象物品と免税店の区分や要件は以下のように見直されました。
・免税対象物品の見直し
・免税店の区分や要件の見直し
これらの変更は、令和8年11月1日以降に行われる免税店での免税対象物品の譲渡(販売)から適用されます。現行制度とリファンド方式を併用する移行期間はありません。
おはようございます。
昨日は国税庁からのリファンド方式についての情報提供があったことをご案内しました。
本日は、リファンド方式について簡潔な解説をしたいと思います。
『リファンド方式』とは、令和8年11月1日から輸出物品販売場制度に導入される新たな免税販売の仕組みです。現行制度とは異なり、免税店は外国人旅行者等(免税購入対象者)に対して、税込価格(課税)で免税対象物品を販売します。
免税購入対象者は、購入した免税対象物品を購入日から90日以内に出国する際に税関で旅券等を提示し、物品の確認を受ける必要があります。この際、同一の購入記録情報に含まれる物品を一つでも所持していない場合、その購入記録情報全体の確認を受けることができません。
免税店を経営する事業者は、購入記録情報と、税関が物品の持ち出しを確認した旨の情報(税関確認情報)を保存することで、免税の適用を受けます。そして、税関による確認後、免税店は免税購入対象者に対して消費税相当額を返金(リファンド)します。具体的な返金手続きは消費税法令で定められているものではありませんが、銀行振込、クレジットカード送金、アプリ送金、出国港内での現金による返金などが考えられています。
『リファンド方式』への移行に伴い、一般物品と消耗品の区分や消耗品に係る購入上限額、特殊包装の要件、通常生活の用に供するかどうかの要件などが廃止されます。購入下限額(5千円)の判定も、区分なしで税抜価額により行われます。
また、単価100万円(税抜価額)以上の商品を販売した場合は、商品の属性に応じた「商品情報詳細」(具体的な名称、ブランド名、型番号、形状、色彩、鑑定書・保証書の有無、シリアル番号など)を提供することが必須となります。
免税店で購入した免税対象物品をその場で運送事業者に引き渡す直送制度は、リファンド方式移行後は消費税法第7条(輸出免税制度)に基づき免税の適用を受けることになり、免税店での一連の免税販売手続や購入記録情報の提供は不要となります。一方、別送の取扱いは令和7年3月31日をもって廃止されました。
免税店の区分も統合され、許可要件には「免税販売手続や購入記録情報の提供及び税関確認情報の受領を適正に実施するための必要な体制が整備されていること」が新たに追加されます。免税販売手続電子化未対応の免税店は、令和8年10月31日をもって免税店許可の効力を失います。
さらに、税関の確認を受けた免税対象物品を遅滞なく輸出しなかった場合の罰則規定が創設されるとともに、免税店の許可取消要件に「税関長の確認に支障があると認められる場合」が追加されます。
商品販売時に課税売上げとした取引は、税関確認情報の保存により免税売上げに振り替える必要があり、税関確認情報の取得の都度行う方法や、月次等で一括して行う方法、販売を行った課税期間と税関確認情報を保存した課税期間が異なる場合に後者の期間で調整する方法などが認められています。
おはようございます。
令和7年度税制改正により、令和8年11月1日から「リファンド方式」が実施されます。
このサイトでは、「リファンド方式」に関する最新の情報を随時掲載していく予定となっています。
随時確認してください。
出所:国税庁
おはようございます。
久しぶりの更新です。。
国税庁から、会計ソフト利用状況等の確実な記載のお願いがありました。
事業者へのデジタル化促進を促すものです。
会計ソフト利用状況等の確実な記載のお願い |
出所:国税庁